資金循環シミュレーター
本ツールは、マクロ経済の資金の流れを視覚的に理解するためのウェブアプリケーションです。以下にその特徴を説明します
現代貨幣理論（MMT）に基づいたマクロ経済の恒等式をシミュレーションします。通常のMMTモデルでは政府、民間、海外の3部門で説明されることが多いですが、本シミュレーターではより詳細な6つの経済主体（政府、中央銀行、市中銀行、民間、海外政府部門、海外民間部門）でのシミュレーションを可能にしています。
帳簿の履歴パネルの表示に十分な横幅が必要なため、フルHD（1920×1080）の画面サイズを想定して設計されています。そのため、スマートフォンではなく、デスクトップPCやラップトップなどの大きい画面のデバイスでの使用を推奨しています。
このシミュレーターは、開発者が個人的な趣味で経済を理解するために作成したものです。専門家による監修は受けていないため、内容の正確性は保証されていません。
本シミュレーターの使用によって生じるいかなる損害についても、開発者は責任を負いません。教育や研究目的での使用を想定していますが、実際の経済政策決定などには使用しないでください。
内容の誤りや改善要望がある場合は、関連するYouTube動画のコメント欄からフィードバックを送ることができます。 このシミュレーターは、マクロ経済の複雑な資金の流れを視覚的に理解するための個人的なプロジェクトとして開発されました。経済学の学習や研究のための補助ツールとして活用いただければ幸いです。
自国の政府と中央銀行の集合, 自国通貨発行権を有する
市中銀行と民間の集合, 国内全ての企業と家計、非営利組織などを含む, 通貨発行権が無い非政府部門の集合
海外政府部門と海外民間部門の集合, 海外全ての政府、企業、家計から成る集合
一般政府, 財政政策を通じて経済に影響を与える経済主体, 自国通貨発行権がある
国の中核となる銀行, 金融政策を通じて経済に影響を与える経済主体, 自国通貨発行権がある
民間銀行, 中央銀行に当座預金口座を保有する銀行の集合
民間部門のうち市中銀行を除く、非金融法人と家計の集合, 中央銀行に口座を保有できない国内の全て
海外全ての政府部門
海外全ての民間部門（企業、家計、非営利組織などを含む）
自国通貨建て長期国債, 国家が借入金を調達するために発行する証券の一種, 満期1年以上
自国通貨建て短期国債, 国家がが短期資金調達のため発行する債券の一種, 満期1年未満, 現在の日本において短期国債は国庫短期証券（Treasury Discount Bills、略称：T-Bills）のみ
外国政府が自国通貨建てで発行する国債
自国通貨以外の通貨で発行される債券
中央銀行が発行し、現在流通している銀行券（紙幣）の総額
政府が発行する支払い手段, 公金の支出に使用される
政府が保有する中央銀行預金, 政府が中央銀行当座預金口座に帳簿上保有する資産, 債務者は中央銀行
市中銀行が保有する中央銀行預金, 市中銀行が中央銀行当座預金口座に帳簿上保有する資産, 債務者は中央銀行
海外部門が保有する中央銀行預金, 海外部門の金融機関が中央銀行当座預金口座に帳簿上保有する資産, 債務者は中央銀行
民間が市中銀行口座に帳簿上保有する資産, 債務者は市中銀行
金属製の円盤状の貨幣, 紙幣と共に流通し、少額取引に使用される一般的な通貨形態, 硬貨は日本において、政府（造幣局）が資産として発行するため、債務者は存在しない
中央銀行が発行する紙幣, 法定通貨として流通し、支払い手段として広く使用される, 債務者は中央銀行
外国で法定通貨として使用される貨幣, 債務者は通貨を発行する国の中央銀行
金融機関が貸し出した資金, 利息収入を得る目的で行われる金融取引
金融機関などから借りた資金, 返済義務があり、通常は利息を伴う
課税されたが、まだ徴収されていない税金, 税務当局が徴収手続きを進める対象
納税義務が発生しているが、まだ支払われていない税金, 期限内に納付する必要がある
中央銀行が得た最終的な利益のうち、所要の経費や税金を支払った後の当期剰余金から、準備金や出資者への配当に充当されるものを除いた額を国庫に納付するもの
国債保有者に支払われる定期的な収益, 国債の額面金額と利率に基づいて決定される
海外国債保有者に支払われる定期的な収益, 国債の額面金額と利率に基づいて決定される
外貨建て債権保有者に支払われる定期的な収益, 債権の額面金額と利率に基づいて決定される
借入金に対して支払う金銭的対価, 借入額と期間に応じて計算される, 債務者の負担
政府や中央銀行が通貨を発行する際に生じる、発行額面と製造コストの差額による利益
使用不能となった通貨を回収し、適切に処分するために必要な費用や経費
支払う義務のある税金, 法律に基づき算出され、期限内に納付が必要
政府が徴収する権利を持つ税金
経済活動で生産・取引される有形・無形の価値物, 経済の基本要素
政府が長期資金調達のために国債を発行し、市中銀行がこれを引き受ける, 政府は政府預金を得て、市中銀行は国債を取得する
発行した国債の元本を、政府が中央銀行へ返済する, 同時に償還額と同額の貨幣が消滅する, 信用破壊（貸借関係の解消）
発行した国債の元本を、政府が市中銀行へ返済する, 同時に償還額と同額の貨幣が消滅する, 信用破壊（貸借関係の解消）
政府が短期国債を新規発行し、一時的な資金を得る, 短期国債は、中央銀行が引き受ける, 信用創造（貸借関係の創造）
発行した短期国債の元本を政府が中央銀行へ返済する, 信用破壊（貸借関係の解消）
中央銀行の政府預金口座から政府小切手を振り出し、財政支出を行う
政府の会計システムを通じて財政支出を行う, 日本においては、官庁会計事務データ通信システム（ADAMS II）によって処理される
民間は市中銀行で、政府小切手を市中預金に交換する
市中銀行は中央銀行で、政府小切手を中央銀行預金に交換する
中央銀行が政府と政府小切手を決済する, 政府の口座から政府預金を引き落とす
中央銀行が市中銀行から国債を購入する, マネタリーベースを増加させる, 信用創造
中央銀行が市中銀行へ国債を売却する, マネタリーベースを減少させる, 信用破壊
課税, 民間に租税を課す
納税, 民間が租税を支払う
中央銀行が市中銀行に資金を貸し付ける, 市中銀行の中央銀行預金が増加する, 信用創造
市中銀行が中央銀行からの借入金を返済しする, 市中銀行の中央銀行預金が減少する, 信用破壊
市中銀行が中央銀行からの借入に対して利息を支払う, 金融政策の一環
市中銀行が民間銀行に資金を貸し付ける, 民間の市中銀行預金が増加する, 信用創造
市中銀行が民間銀行からの借入金を返済しする, 民間の市中銀行預金が減少する, 信用破壊
個人や企業が市中銀行からの借入に対して利息を支払う, 銀行の主要な収益源
国庫納付金とは、中央銀行が保有する国債から得た利息収入の一部を国庫に納付する制度, 中央銀行の収益は政府の収益となる
中央銀行が新しい紙幣を印刷し、市中銀行に供給する
市中銀行の必要に応じて、中央銀行は印刷済みの銀行券を受け渡す, 中央銀行の資産にある銀行券が減少する
使用済み紙幣を回収し、状態が良ければ再び流通させるために保管する, 帳簿上、中央銀行の資産となる
損傷した紙幣を回収し、裁断などの方法で廃棄する
個人や企業が市中銀行のATMや窓口で現金を引き出す
個人や企業が市中銀行のATMや窓口で現金を預け入れる
造幣局が新しい硬貨を製造し、中央銀行を通じて流通させる
摩耗や損傷した硬貨を回収し、溶解して再利用する
市中銀行が中央銀行から硬貨を受け取る, 中央銀行預金と交換
市中銀行が保有する過剰な硬貨を、中央銀行に返却する
個人や企業が市中銀行の窓口やATMで硬貨を引き出す, 小口現金の需要に対応
個人や企業が市中銀行の窓口やATMで硬貨を預け入れ, 余剰硬貨の管理に利用
海外政府部門による財政支出と信用創造, 買いオペにより海外国債は全て海外中央銀行が購入
海外政府部門による租税と信用破壊
海外から輸入, 市中銀行の外貨が減少する
海外へ輸出, 市中銀行が外貨を得る
中央銀行の外貨準備を活用し、市中銀行が必要な外貨を調達する
市中銀行が余剰外貨を中央銀行に売却し、自国通貨を取得する
外貨準備運用のため、中央銀行が海外政府発行の債券を購入する
中央銀行が保有する海外国債を海外政府部門に売却し、外貨を取得する
海外政府部門が自国の外貨準備運用のため、他国政府の国債を購入する
海外政府部門が保有する他国の国債を、発行国政府に売却する
中央銀行が外貨準備を増やすため、海外政府部門から直接外貨を購入する, 通常、外国為替市場を介して間接的に行われる
中央銀行が保有する外貨を、海外政府部門に直接売却する, 通常、外国為替市場を介して間接的に行われる
市中銀行が海外政府政府から直接外貨を購入し、外貨預金を増やす, 通常、外国為替市場を介して間接的に行われる
市中銀行が保有する外貨を、海外政府部門に直接売却する, 通常、外国為替市場を介して間接的に行われる
政府が中央銀行に対して、国債の利息を支払う
政府が市中銀行に対して、国債の利息を支払う
政府が海外政府部門に対して、国債の利息を支払う
海外政府部門が中央銀行に対して、海外国債の利息を支払う
自国通貨以外の通貨で発行される債券, 発行体が外国の通貨で資金調達を行い、投資家は高金利や為替差益を期待して購入する
満期時に、発行時に定められた外貨建ての額面金額が投資家に支払われる, 為替レートの変動により自国通貨での換算額が変動するリスクがある
通常、半年ごとに外貨建てで利息が支払われる, 為替レートの変動により、自国通貨換算での受取額が変動する可能性がある